
惠阪 友紀子
- 専門分野
- 日本中古文学 / 和歌・漢詩
LITERATURE
文学作品の形式を分析、分類する理論を学びます。登場人物の心理や当時の社会状況などを後世に伝える文学の力について考察し、理解を深めます。
東北には地震や津波の恐怖を語り継いできた地域がありました。この講義では、主に日本国内に伝承されてきた民話を取り上げ、その民俗性、歴史性、そして現代的な意義を考察します。
FIRST
4専攻の分野をひと通り学ぶ
1年次は専攻に所属せず、「文学」「歴史」「社会」「日本文化」の基礎を学び、分野の特長や研究手法の違いなどについて理解します。文化を構成する要素と現代社会の成り立ちを知り、自分の興味に基づき研究したいテーマを探します。
広い知識とことばから、自分を知る
ことばを通して自分や他者への理解を深めます。研究に必要となる、「興味があることを掘り下げテーマを設定する力」、「過去の研究や現場を調査する力」、「自分の考えを論理的にまとめ発表する力」を基礎から身につけます。
SECOND
専門知識の理解を深める
文学専攻では、上代・中古・中世・近世・近現代の日本文学研究を行います。批評理論や比較文学など、作品を分析する力を磨く科目のほか、世界の文学、神話や詩歌、説話・伝承など幅広い文学表現も学ぶことができます。
ゼミ形式で調査技法を学ぶ
少人数の演習形式(ゼミ)で同じ分野に興味を持つ仲間とともに、自分の研究テーマを掘り下げていきます。また、3年次のフィールドワークプログラムに向けて、担当教員の指導をうけながら調査計画を立案します。
THIRD
キャンパスの外へ旅立ち研究する
各専攻で学び獲得した知見を、実際にフィールドへ足を運んで検証します。2ヶ月間、キャンパスの外で異なる文化や社会に身を置いて、多様な価値観に触れることで実感を伴った知識を得、深めることができます。この経験が新たな視野となり、世界を広げ、独自の発想につながっていきます。
調査結果を検証する
プログラム終了後は、キャンパスに戻って調査した内容をふりかえります。現地で収集したデータや資料を整理し、報告書にまとめます。教員や仲間に研究成果を報告し、指摘や議論を通じて、その理解をさらに深化させていきます。
FOURTH
自分の考えを形にする
3年次までに深めた知見をもとに、自分の考えを卒業論文として発表します。興味・関心のあるテーマを追究し、他者に伝わるよう情報を論理的にまとめる論文執筆には担当教員が親身に指導にあたり、構想を練るところから、文章校正まで一対一でアドバイスを行います。
日本近代演劇の成立とその超克—平田オリザの現代演劇論—
西洋社会で生まれて輸入、翻訳された「近代演劇」は、日本ではどのようにとらえられてきたか。劇作家平田オリザは自ら提唱する「現代口語演劇」の中で、日本社会における日常的な「対話」を軸に演劇を体系化した。この「対話」から「西洋近代演劇」を考察し、日本の「近代演劇」の成立と、それをいかに乗り越えることができるかを論じた。
現代版『青い山脈』としての『コクリコ坂から』—映画が希望を語るとき—
2011年7月にスタジオジブリによる映画『コクリコ坂から』が公開された。この作品と深い関係があるのが、1947年に「朝日新聞」に連載された小説『青い山脈』である。1963年に映画化され、敗戦後の日本を元気にしたといわれる『青い山脈』と、東日本大震災後に公開された『コクリコ坂から』。二つの作品から、人びとに与える希望について考察する。
人格者の「憂き事」—樋口一葉『たけくらべ』に関する—考察—
明治期の短編小説『たけくらべ』には、主人公の少女美登利の変貌に関する論争がある。この論争は、物語終盤、美登利が生まれ変わったような身の振る舞いをするその理由をめぐって行われている。論文では、美登利の「人目」に対する「憂き事」に着目し、美登利の変貌論に「人目」という観点を取り入れることを試みる。