惠阪 友紀子 ESAKA Yukiko
- 専門分野
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日本中古文学 / 和歌・漢詩
- 所属
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- 国際文化学部 人文学科 文学専攻
経歴・業績
京都府京都市生まれ。関西大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程後期課程修了。博士(文学)。著書に『新撰万葉集注釈・巻上(二)』(共著、和泉書院、2006年)、『元良親王集全注釈』(共著、新典社、06年)、『古筆の楽しみ』(共著、武蔵野書院、15年)、『宇多院の歌合新注』(共著、青簡舎、19年)など。主な論文に、「『和漢朗詠集』の増補詩歌」(『国語国文』79号、10年9月)、「関西大学図書館蔵生田本『和漢朗詠集』と朗詠江注」(『中古文学』86号、10年12月)などがある。
メッセージ
古典といえば文法に単語、覚えることばかりでうんざり。漢詩は漢字だらけで、和歌はわけのわからない枕詞や掛詞ばかり、なんて思っていませんか。確かに「江碧鳥逾白、山青花欲然」(杜甫・絶句)をきちんと訓読しろと言われれば難しい。でも、漢字に注目すると碧・白・青ととても鮮やか。江はサンズイヘンだから水辺、そこに鳥がいて山や花があって……と、なんとなく景色が想像できますよね。歌だって「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを」(あの人のことを思いながら寝たから夢に見たのかしら。夢だと知っていたら目を覚まさなかったのに。小野小町)、実際に会えないならせめて夢だけでも会いたいと思うのは、現在の恋する乙女と同じ。今と昔では言葉も習慣も違います。だから難しいこともたくさんありますね。でも、古典の世界も現在も、そこにいるのは同じ人間。なんとなくでも共感できれば気付くおもしろさがたくさんありますよ。