京都で文学・歴史・社会・日本文化を学ぶ

人文学科は1989年に開設され、〈行動する人文学〉をスローガンに、体験的な学修を通して、世界を変革する人間の育成に取り組んできました。そして2021年、「文学」「歴史」「社会」「日本文化」という4分野を研究領域にした、国際文化学部人文学科として新たにスタートしました。

人文学科のグローバル教育は、身の回りの文化について理解を深めながら、異文化を知ることからはじまります。グローバル化する社会で必要となるのは、国や文化の違いを越えて互いの文化を理解しあい、他者と共生することです。そのためにはまず、自分自身を形成してきた文化と向きあうことが重要です。それにより「他者とは何か」「世界とは何か」という視点が生まれるのです。加えて、フィールドワークをはじめとした体験的な学びを通じて異なる価値観にふれ、新たな考えを身につけていきます。人間を広く研究対象とする人文学の学びによって、広い知識と教養を得て、自分を見つめ、世界を見晴らす力をつけることができます。

4年間の流れ

  1. 1年次

    FIRST

    人文学の基礎を知り、4専攻の分野をひと通り学ぶ

    1年次は専攻に所属せず、人文学や各専攻の基礎を学びます。分野の特徴や研究手法の違いなどを理解し、興味のある研究テーマを探します。また、「読む」「書く」「話す」を学びなおすことで、物事を掘り下げる力や自分の考えを論理的にまとめ発表する力を身につけ、ことばを通して自分と他者への理解を深めます。

  2. 2年次

    SECOND

    「文学」「歴史」「社会」「日本文化」の4つの専攻に分かれて学ぶ

    「文学」「歴史」「社会」「日本文化」のうち、いずれかの専攻に分かれ、専門分野への理解を深めます。また、少人数のゼミで同じ分野に興味を持つ仲間と議論することで、研究テーマを探求。3年次の長期フィールドワークに向けて、担当教員の指導を受けながら調査計画を立てていきます。

  3. 3年次

    THIRD

    キャンパスの外へ飛び出し、 自由なテーマで調査・研究をおこなう

    2年次までに学んだ知見を検証するため、2カ月間の長期フィールドワークへ。異なる文化を持つ社会に身を置くことで生きた知識を吸収します。終了後は、現地調査によって収集したデータや資料を整理して、教員や仲間に報告。指摘や議論を通じてさらに理解を深めていきます。

  4. 4年次

    FOURTH

    卒業研究に取り組み、 自分の考えをかたちにする

    3年次までに深めた知識と得てきた経験をもとに、自分の研究してきたテーマを他者に伝わるように論理的に構成し、卒業論文として発表します。論文執筆に取りかかる際には、担当教員が親身になって指導にあたり、構想を練るところから文章の校正まで、一対一でアドバイスを行います。

専攻

人文学科の特長

1年次は幅広く学び、2年次から専攻へ

1年次は、まず各専攻の基礎を学修。それぞれの特徴や研究手法の違いなどを理解し、そこから自分の興味に基づいて研究テーマを探します。また、言葉を使いこなす技術を修得し、自分と他者への理解を深めるとともに、「調べる」技術を通じて考察力を高め、2年次からの専門的な学びに向けて基本のスキルを身につけていきます。

歴史ある文化の発信地・京都で学ぶ

文化の発信地であり、文化や歴史を学ぶうえで最適な街・京都。伝統工芸の作家を招いた講義や、食や住まい、祭事といった習俗を価値観の変遷とともにひもとく授業、世界文化遺産に登録された神社仏閣に出向いて文化を理解する授業など、伝統と新しさが同居する京都の利点を生かした実践的な学びを豊富に選択できます。

体験を通じ、多様な価値観に触れて学ぶ

3年次にはキャンパスを離れて実践的に学ぶ長期フィールドワークに参加。研究したいテーマにあわせて調査地を決定し、2カ月間、現地調査を行います。この学外での体験を通じ、これまで学んできたことを実践すると同時に、異なる文化や考えを知り、多様な価値観を理解することで、新たな視野を手に入れます。

オンライン学科説明会

学科共通科目

キャンパスを出て学ぶ 長期フィールドワーク

3年次の2カ月間は全員がキャンパスを離れて現地調査へ。テーマは自身の興味や関心にあわせて自由に設定し、とことん追究できます。未知の場所で多様な価値観に出会い、自分を見つめなおすことは、身近な地域や文化への新たな視点の獲得につながっていきます。

学びのポイント
学外での体験から異なる文化や考えを知る
 北海道から沖縄まですべての地域が研究拠点
 価値観を変える出会いを経験する

長期フィールドワークの流れ

  • 1.テーマ設定

    自らの興味や関心にあわせて調査テーマを決めます。テーマは専攻にこだわらず自由に設定し、追究することができます。

  • 2.研究計画を立てる

    現地での調査手法や訪問先の地域について理解を深めます。担当教員の指導のもと、2ヶ月間の研究計画を立てます。

  • 3.日本全国の現場で学ぶ

    テーマに合わせて拠点となる地域を設定します。寺社仏閣や映画・小説の舞台など北海道から沖縄まですべてが研究拠点(現場)になります。

  • 4.検証・報告を行う

    2ヶ月間に集めたデータや体験を整理し、活動報告を行います。得たフィードバックを参考に内容を整理し、卒業論文に向けて準備します。

フィールドワーク事例

  • 「きもの文化」のいまを探る

    京都は「京友禅」「西陣織」を生産する国内最大の和装産地。工房が建ち並ぶ街並みや職人技術を「分業体制」「職住一体」等を手掛かりに調査し、伝統産業の現状を考察する。

  • 自然環境の維持管理を考える

    京都市動物園と下鴨神社の糺の森をフィールドとして、森林の維持管理・運営に実践的に携わることで、自然環境を維持・管理しながら運用する方法を考察する。

  • 京都の聖地巡礼で 森見登美彦作品を考察

    『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』など森見登美彦作品の聖地を訪ね、原作小説とアニメーション作品それぞれで描かれた京都と、現実の舞台を比較し考察する。

  • 京都・徳島の藍染・歌枕・道

    伝統的な技術による京都と徳島の藍染、和歌に詠まれた名所、京都につながる古道を取り上げ、京都と周辺地域の重層的な歴史が、現代にどうつながっているのかを探ります。

  • 近現代京都の思想と歴史

    京都は言わずとしれた古都ですが、首都機能が東京に移った後も、政治的・思想的・歴史的な出来事がいくつも起こっています。それらの詳細を、フィールドワークで明らかにします。

  • 京都の地域や寺社を調査する

    古文書や文学作品に登場する京都の地域や寺社に足を運び、貴重な資料を見学し、現地を歩いて調査します。そして、現代に残る寺社や地域社会と歴史・文学の繋がりも考えます。

  • 京都で「表現」と「形式」を考える

    京都の地をめぐりながら「現代アート」と「俳句」の二つのテーマに分かれ、それぞれの"表現"と"形式"について考えます。

  • 城下町彦根の文化観光案づくり

    滋賀県の彦根城周辺地域の歴史と文化を調査し、「文化観光」のルートを考案します。地域固有の歴史と文化を学びつつ、もう一度訪れたくなるほど楽しめる、そんな観光を模索します。

  • 徳之島の豊かさと魅力を知る・伝える

    徳之島は奄美群島の1つで、2021年に「世界自然遺産」として登録されました。長寿の島、子宝の島としても知られる徳之島の魅力を読み解きながら、島を満喫するプログラムです。

  • 独自のテーマを立てて調査する

    北海道・沖縄・関東のいずれかを選び、現地に滞在して調査を行います。各地域固有の歴史・文化・社会に関する事柄であれば、自由にテーマを設定できます。

「ことば」から自分と世界を再発見

幅広い日本語表現に触れる
少人数クラスで「読む」「書く」「話す」という身近な行為について学びなおします。全員が作品批評やエッセイなど、多様なことばの表現をテーマに作品を制作・発表。完成後は互いの作品について意見交換を行います。

11か国語から選べる語学学習

英語をはじめ、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、スワヒリ語の計11か国語から選択し、コミュニケーションのための語学を実践的に学びます。

その他の科目

  • 宗教学

    基本的な宗教の概念とこれまでの社会と宗教の関わりを学んだうえで、現代の宗教が抱える課題を視野に入れつつ、21世紀を生きる私たちの日常生活に求められる、宗教の役割を考察します。

  • 現代社会論

    明治以降、現代日本社会がどのように形作られ変化していったのかを、産業や都市、家族、メディア技術などの変化から読み解き、さまざまな問題に対する自分なりの考えを深めます。

  • 歴史学概論

    「歴史とは何か」という問いから出発し、現代までの歴史のとらえられ方も踏まえ、自分自身や身のまわりの地域について、過去の歴史とひもづけて考えられるようになることをめざします。

  • 日本文化論

    歌舞伎や茶の湯、生花などの日本の伝統文化から、マンガやファッションなどのサブカルチャーを含めた現代文化まで幅広く学習します。伝統文化と現代文化に通底する日本文化の特質と意義を理解します。

先輩のおすすめ授業

基礎演習(1年次)

大学で学ぶために必要な知識や技術を、実践を通して身に付ける科目です。授業では、自分でテーマを決めて、レポートを作成します。もちろん、参考文献や資料の探し方、文章の書き方は、先生や先輩が教えてくれます!レポートを書くことで、あなたが興味・関心のあることを、より深めることができますよ。
(2年生/小塩さん、佐藤さん)

在学生のレポートテーマ:
「銀山温泉の歴史と現在」歴史ある街並みが保全され、「大正ロマン」を感じられる人気の観光地で、もっと詳しく知りたいと思い、テーマに選びました。(小塩さん・2年生 )
「色」「色」を知ることで、日本の歴史や社会のシステムを垣間見ることができると思い、「色」をレポートテーマにしました。(佐藤さん・2年生 )

卒業後の進路

分析・洞察力や問題解決力が強みになる
人文学科で培われる、文化や社会現象を分析する力や自ら問題を発見し解決する力、グローバルな視点で日本や京都文化を洞察する力は、幅広い分野で応用できます。編集者や学芸員、コンテンツ制作者はもちろん、ITや文化事業、教育産業、商品企画、観光など、今後の日本ビジネスの中心となるあらゆる業種で必要とされるでしょう。

めざせる職業
編集者 / ライター / 小説家 / 学芸員 / 学校教員 / 営業(総合職) など
 
主な就職先
出版社 / 広告制作業 / Webコンテンツ制作会社 / NPO・NGO / 行政機関 / 製造業 / 流通小売業 など

取得できる資格

高等学校教諭一種免許状(国語・地理歴史・公民)
● 中学校教諭一種免許状(国語・社会)
● 図書館司書
● 博物館学芸員

VOICE

  • 吉永 隆記教員

    歴史との 出会いあふれる 環境で学ぶ

    日本史のなかでも中世という時代を専門にし、とくに地方の荘園・村落を基盤とした武士たちの活動を追っています。歴史を学修・研究するということは、過去の人間社会を追求すること。過去・現在を問わず、さまざまな個性を含めて人間が好きな人におすすめです。とりわけ京都精華大学は歴史を学ぶのにこのうえない京都に立地しているので、教科書に出てくるような寺社や遺跡を訪れることもできます。歴史との出会いがあふれる環境で、歴史の楽しさや驚きを見つけてみましょう。
    (研究内容 :日本中世史/荘園史)
  • 山名 伸生教員

    研究・経験を深め、感性をきたえる

    美術史を専門に、仏教彫刻(仏像)史や、近年は民藝や骨董・古美術品を研究テーマにしています。この研究の面白さは、先人が遺した数々の美術品に接し、研究し、経験を深めていくと、また新たな「美」に出会えること。美術品を見て、感じて、考えることが好きな人や、美術品に関するデジタル的な知識を増やすことよりも、総合的に自分の眼や感性をきたえていきたい人に向いています。若いうちに、できるだけあらゆる分野の古典的名作に触れてほしいと思います。
    (研究内容 :美術史/日本・東洋美術)

  • 服部 静枝教員

    社会の変化を察知し 対応できる力を

    中小企業におけるCSRマネジメントを研究領域としています。CSRは「企業の社会的責任」という意味で、ゼミでは持続可能な社会のための企業のあり方を学び、理想と現実のギャップをどのように埋めていけばよいのか、そして自分たちはそれにどう関わっていけばよいのかを考えていきます。授業を通じて、社会の変化を察知し対応できるよう「社会感度」を高めていきましょう。調査したことを発表・意見交換しながら、主体的に学ぶ楽しさも伝えたいと思っています。
    (研究内容 :美術史/環境マネジメント/CSR論/老舗企業研究)