清水 貴夫
- 専門分野
- 文化人類学 / アフリカ地域研究
GLOBAL CULTURE
FIRST
1年次は専攻に所属せず、人文学や各専攻の基礎を学びます。分野の特徴や研究手法の違いなどを理解し、興味のある研究テーマを探究します。また、物事を掘り下げる力や自分の考えを論理的にまとめ発表する力を身につけ、ことばを通して自己と他者への理解を深めます。
異文化を知るための外国語学習も重視しています。
学べる語学 : 英語、韓国語、フランス語、スペイン語、中国語
SECOND
国際文化・国際日本学のいずれかの専攻に所属。後期からは6カ月間、キャンパスを離れて現地調査を行う「フィールド・プログラム」に参加します。国内外のさまざまな地域を訪れて調査することで、実践に即した思考力を養い、視野を広げます。
THIRD
現地調査によって収集したデータや資料を整理し、教員や仲間たちに報告。指摘や議論を通じてさらに視野を広げ、研究テーマへの理解を深めていきます。同時に、所属専攻の専門科目を通して、より深い知識と知見を身につけます。
FOURTH
自分の研究してきたテーマを他者に伝わるように論理的に構成し、卒業論文として発表します。論文執筆に取りかかる際には、担当教員が親身になって指導にあたり、構想を練るところから文章の校正まで、一対一でアドバイスを行います。
異文化を体験し理解を深める
関心のある国を訪れ、食事や住居、暮らし方、コミュニケーションの違いなど、異文化を体験。現地でこそ得られる多角的な視点を通して、新たな価値観を手に入れる。
国際的な課題を調査
環境や貧困など全世界に関わる問題について分析する。現地ではインタビュー調査を行い、人々のリアルな声を知る。社会をより良くするためのアイデアを探求。
有機農業の将来性についての一考察 —スペインと日本の有機農業の事例から
有機農業は、土壌、大気を汚染しにくく、生物多様性にも配慮した環境フレンドリーな農法として世界中の多くの地域で取り入れられている。栽培された生産物は人間の身体にも負担をかけることなく、安心して食べることができる。近年日本でも有機農業の生産物が出回り始めているが、ヨーロッパでは有機農業が市民生活に浸透しており、中でもスペインは上位の有機農地面積を有している。人体、環境にやさしい有機農業ではあるが、問題点がある。化学肥料を使用した慣行農業と比べ生産量は少なくなり、有機肥料の値段は概して高いため、必然的に有機農産物の値段も高くなる。食料安全保障の観点から見ても、生産量の少ない有機農業は課題がある。
2050 年には総人口 100 億人に上るとされる世界を前に、有機農業はどのような位置づけにあるのか。スペインと日本における有機農業に関する事例から、現在の有機農業を分析し、将来の有機農業のあり方を考察していきたい。
韓国ドラマにおける翻訳の手法 —『わかっていても』を中心に
本論文は、Netflix で配信されている韓国ドラマ『わかっていても』において、原語でのセリフ、日本語字幕、日本語吹き替えを比較し、セリフがどのように変化しているのか、変化したことによって言葉の伝わり方はどう変わるのかを分析したものである。字幕と吹き替えの制作にはルールがあり、このルールの中で、より多くの情報を伝えるための工夫がされている。
具体的にはセリフの中でも物語の進行に影響する言葉から優先的に翻訳することや、日本語に翻訳できない韓国語はできるだけ短い意味の言葉を使い、簡潔に翻訳されていることなどである。セリフの分析の結果、吹き替えの方が字幕と比べて、ルールによる制限が少なく情報量は多い。一方で字幕では役者の声を聞きながら映像を見ることができるため、口の動きの違和感を感じることがない。また、役者の声でしか感じ取ることのできないキャラクターの感情が伝わる。