海外での体験を軸に世界の課題を発見し解決できる人に

情報、モノ、資本が国境を越えて行き交うグローバル化が進むなか、現代社会のあり方を問い直し、地球規模の視野をもってこれからの世界を見通す力が求められています。いま、私たちが考えなければならないことの多くは、既存の学問の枠におさまらず、用意された答えはありません。グローバルスタディーズ学科では、世界の新しい関係性や構造を地球規模でさまざまな視点から把握します。特にグローバル化の進展とともに大変革期を迎えて存在感が増しているアフリカ・アジア地域を中心に、文化や歴史、社会、環境、政治、経済を多角的にとらえていきます。ここでは、学生全員が現地におもむくフィールドワークを世界各地で行い、語学やコミュニケーションの力をみがくことで、グローバル社会のなかで積極的に行動し、自身のテーマで社会を変えていく人、世界が直面する課題の解決に貢献する人を育てます。また、日本社会や文化についても学び、国際機関やグローバル企業などで働くことを見据えた世界に通用するスキルを身につけます。

4年間の学び

  1. 1年次

    FIRST

    基礎を学び、 自身の興味を深める

    1年次は専攻に所属せず、2年次からの専攻とゼミにつながる知識を深めることで自身の興味を掘り下げます。同時に、コミュニケーションを目的とした実践的な英語力の強化も図ります。

  2. 2年次

    SECOND

    専攻とゼミに所属し より深く学ぶ

    「グローバル関係専攻」「グローバル共生社会専攻」「アフリカ・アジア文化専攻」のいずれかの専攻に分かれ、自分の研究テーマを具体化します。ゼミにも所属し、ディスカッションを通してチームでの学びを深めていきます。

  3. 3年次

    THIRD

    研究テーマをもとに、世界各地での 海外長期フィールドワークへ

    海外で最大6カ月間の現地調査に取り組みます。帰国後は、現地で集めた情報を整理して活動報告を行います。

  4. 4年次

    FOURTH

    卒業研究に取り組み、 現地調査で得た内容を形にする

    海外長期フィールドワークで得た調査結果や資料をもとに、研究テーマに沿って論理的にまとめ、卒業論文として発表します。論文執筆は、構想段階から担当教員が一対一で指導にあたり、卒業後の進路へのステップとなる、4年間の集大成をサポートします。

グローバルスタディーズ学科の特長

1年次は基礎を固め、幅広く学ぶ

1年次は基礎となる知識や研究手法を学ぶ期間。世界各地の文化の成り立ちなどを理解するとともに、国際関係や多文化共生といった2年次からの専攻につながる知識も深めることで、自身の興味を掘り下げます。同時にコミュニケーションや情報収集のための語学習得をめざし、多様な国の言語から選択して学ぶことも可能です。

発展著しいアフリカ・アジア地域にフォーカス

人口や経済など、さまざまな面で急速に成長しているアフリカ・アジア地域。グローバルスタディーズ学科では、今後国際社会に大きな影響を与えることが予想される同地域を中心に、グローバル化の発展のなかで欠かすことのできない文化の相互理解をはじめ、グローバル社会を見通す“一歩先”の力を身につけていきます。

自らテーマを決め海外で調査研究

興味を持っていることをテーマに国や地域を選び、海外での長期フィールドワークを通して深い知識と経験を身につけます。指導を担当する教員は、幅広い国や地域で調査・研究活動を続ける現役のフィールドワーカー。効率的な調査手法から安全に行動する方法まで、豊富な経験から培った知識やスキルを学生に伝授します。

オンライン学科説明会

学科共通科目

アジア諸国に短期留学(1年次)

アジア諸国で約2週間の短期留学に参加する「海外短期フィールドワーク」。台湾や韓国、香港、ベトナム、タイ、セネガルなどの国や地域から渡航先を選び、現地の文化や習慣に触れながら海外生活に慣れていきます。異文化に直に触れ、3年次の長期フィールドワークのための土台となる基礎力を養います。

世界の見方を変える海外長期フィールドワーク(3年次)

世界中をフィールドにした、3年次の長期調査研究プログラム。欧米はもちろん、アジア・アフリカ・オセアニアまで幅広いエリアから滞在先を選択できます。研究テーマは自分の興味に応じて設定し、追究していきます。異文化を現地で学び、新たな発見を重ねることで、自ら問いを立てる力や、多様な環境にある他者に寄り添い、理解しようとする力をみがきます。

学びのポイント
 自分の研究テーマに合わせて世界各地の拠点を選べる
 現地での交流・調査で「生きた語学力」をみがく
 リアルな経験から国際的な視点を身につける

フィールドワーク プログラムの流れ

  • 事前学習・計画

    海外経験豊富な教員から学ぶ「グローバルゼミ」などで知識を深め関心のあるテーマを探り、「フィールドワーク方法論」などで、必要な基本言語や調査手法を修得し、計画を立てる。

  • 現地研修(語学学習・フィールド調査)

    拠点となる海外大学等で現地の言語を学びながら、自分で決めたテーマの調査を行う。現地でのインタビューや資料館・博物館等での情報収集、テーマに関連する場所への訪問・調査などを通じて、言語や文化的背景が異なる人びととのコミュニケーション力を身につける。滞在時もフィールドワークの経験豊富な教員が定期的にサポートを行い、現地での状況を踏まえながら柔軟に指導し、研究テーマを深めていく。

  • 報告

    現地で集めた情報を整理し、報告発表会やパネル展などの形式で活動を報告する。研究テーマに沿って内容を論理的にまとめ、他者に伝える経験を積み、卒業研究の準備を整えていく。

フィールドワーク 滞在先一覧

地域 滞在費 滞在先
アジア 20~60万円 韓国…大邱大学 [韓国語]
台湾…東呉大学[台湾華語(中国語)]
フィリピン…QQ English [英語]
タイ…パヤップ大学[タイ語]
アフリカ 50~60万円 セネガル…国立ダカール大学 [フランス語]
中東 40~50万円 トルコ…イブン・ハルドゥーン大学 [トルコ語]
大洋州 60~70万円 ニュージーランド…オークランド工科大学 [英語]
欧州 50~120万円 フランス…西カトリック大学 [フランス語]
スペイン…グラナダ大学現代言語研究センター [スペイン語]
北米・中米 60~150万円 カナダ…ブリティッシュ・コロンビア大学 [英語]
アメリカ…カリフォルニア大学デービス校 [英語]
※その他の地域も調整中

 留学先大学の学費は不要
 年間授業料の1/2が減免となる奨学金 ※審査あり。採用人数20名

フィールドワーク テーマ例

  • ニュージーランドでマオリの衣装を研究

    ニュージーランドの先住民族マオリの衣装を研究します。現地で資料収集やインタビューなどを行い、テキスタイルデザインや制作技法について理解を深めます。

  • セネガルで宗教組織の環境問題への取組を研究

    セネガル北部で砂漠化対処に取り組む複数の宗教団体を調査します。提携校でフランス語、ウォロフ語を学びながら、宗教と環境問題の関係性を探ります。

  • ベトナムで孤児と孤児院の現状を調査

    ベトナムの孤児院でボランティアを行いながら調査を実施します。子どもたちの笑顔の背景にある家庭環境や国の経済成長について考察します。

  • 台湾でルカイ族を研究

    拠点校にて中国語を学びながら、台湾原住民のルカイ族について調査します。日本統治時代を経験した古老から当時の状況や日本について聞き取り調査を行います。

カリフォルニアにおける多文化共生施策を調査(アメリカ)
 パリにおける日本文化を調査し、独自の変遷について理解する(ヨーロッパ)
 先住民族マオリの衣装を研究。制作技法について理解を深める(ニュージーランド)
 孤児院でボランティアを行いながら、国の経済成長など現状を考察(フィリピン)
 マイノリティへの社会的配慮やシステムの違いを比較検討(カナダ)
 韓国のストリートアートを研究。
 地域と若者文化との関係を考察(韓国)
 砂漠化対処に取り組む宗教団体を調査。宗教と環境問題の関係を探る(セネガル)

その他の科目

  • グローバルゼミ

    約20人の少人数クラスで、情報検索や現地調査、意見交換などといった基礎的な研究方法を学びます。これが2年次からの専攻に分かれた学びを理解するためのスタートとなります。

  • 国際文化史

    いくつかの地域の文化交流史をひもとき、文化交流の変化やその固定化の経緯をたどります。そのなかで歴史学的な分析方法を習得し、文化を歴史的な観点から理解することの重要性について学びます。

  • フィールドワーク方法論

    3年次の海外長期フィールドワークへの準備として、現地の担当者らとWeb会議などをおこなって目標や計画を作成。ヒアリング調査や文献を読むことなどを通じ、必要な基本言語や現地の慣習の理解、調査手法を修得します。

  • グローバル・ビジネス論

    国をまたいで経済活動を行うグローバルビジネスの歴史的変遷を学び、多国籍企業の戦略や考え方、求められる能力などを理解。また、現代社会が直面する社会問題とそれに対応する新しいグローバルビジネスのトレンドを学びます。

先輩のおすすめ授業(2年生・池田さん)

 基礎演習(1年次)
7名程度のグループに分かれ、学期を通してグループごとに決めたテーマについて議論しました。そして、最後にテーマに沿った個人レポートを作成しました。私のグループでは京都精華大学が掲げる『「表現で世界を変える」ことは可能なのか』を議論しました。この大学が嫌いな訳ではないですが、学問の場では当然と思われてきた価値観を疑うことが必要とされます。であるならば、私たちが所属している大学そのものを疑ってみようと(笑)。ちなみに私のレポートでは「香港の社会運動で生まれた表現」を取り上げました。グループでの議論は様々な意見が飛び交い、ひとりの人間が持ちうる視点の限界を痛感させられるとともに刺激的な空間でもありました。まず、正しいかどうかではなく、疑問や違和感を「表現」してください。そこから新たな発見への旅が始まります。

国際文化史
「国際文化史」は、1年次に開講される学部共通科目で、人文学科、グローバルスタディーズ学科の先生が講義を行います。当初はグローバルスタディーズ学科とは無関係な、日本の歴史・文化の講義が多いと感じていました。しかし、人文学科歴史専攻の吉元先生が「薩摩藩の琉球侵攻」に関する講義を行った際に、この認識が覆されました。私は文明開化以前の日本に一切の興味がありませんでした。現代日本との社会的・制度的な「繋がり」を感じられないからです。ですが、帝国主義という概念の流入以前に、砂糖の需要増大に伴い薩摩藩が琉球王国や奄美地域で植民地的支配を行っていたことは、「文明的とは何か」を再考する契機ともなりました。自分の興味・関心を、日本か海外かのどちらかに制限する必要はありません。「国際文化史」は示唆に富んだ講義です。学科の枠に囚われず、人文学という俯瞰した視点に立って受講することで、これまで知らなかった、面白いと思える学びに出会えます。

卒業後の進路

経験を武器にグローバル社会で活躍する

グローバル化が進む現代では、商社や貿易、観光業から、教育、NGO・NPOなどまで、グローバルな視点での問題発見・解決能力や海外と日本をつなぐ人が求められています。さらに、企業では利益の追求だけではなく社会貢献が新たなキーワードとなっており、ソーシャルビジネスやソーシャルデザインの分野での活躍も期待できます。


国際展開する企業(商社、メーカー、外資系企業)

 国内外の文化を広く伝える企業(イベント企画、旅行・観光)
 出版・広告・マスコミ業界 
 教育関連(中学校・高校教員)
  NGO・NPO・ソーシャルビジネス関連企業 
 研究者 など

取得できる資格

高等学校教諭一種免許状(公民)、中学校教諭一種免許状(社会)、図書館司書、博物館学芸員

VOICE

  • 清水 貴夫教員

    世界の問題を身近に、 「前のめり」で学ぼう

    西アフリカの内陸国ブルキナファソを中心に調査をおこない、ストリート・チルドレンの生活実態を明らかにすることで、彼らに貼られた「レッテル」を精査し、近代社会の善を見直すことをテーマにしてきました。世界のあらゆる問題は、テレビやインターネットのなかではなく、私たちのすぐそばでも起こっています。大学で学ぶのは、世界で起きている問題を、自分の身近な問題として考えることです。少し前のめりなくらいに学ぼうとする、みなさんの入学をお待ちしています。
    (研究内容 :文化人類学/アフリカ地域研究)
  • 藤枝 絢子教員

    土地を訪ね、 自分のテーマを発見

    太平洋の島国や東南アジアを中心に「ヴァナキュラー建築」と呼ばれる地域固有の住居建築を研究対象にしています。現地の人びととともに再建をおこなうなど、実践を踏まえたアプローチを試みてきましたが、これまで記されてこなかった情報をひも解いていくプロセスは発見の連続。地域の人たちと関わるなかで、自分も含め共通する価値観があることに気づくことが学びとなっています。みなさんにも、ぜひ実際にフィールドに出向き、関心のあるテーマを見つけてほしいです。
    (研究内容 :間環境設計論/地域研究)
  • 國分 圭介教員

    生の声に寄り添い 多様な価値観を 理解しよう

    東アジア・東南アジア諸国にある日系現地法人で働く従業員に対して、どのような条件を与えるとモチベーションが高まるかを研究しています。これまで7カ国を10年以上にわたり飛び回りながら、従業員向けのアンケート調査事業を手がけてきました。多様な価値観を理解するためには、日本人の常識を疑い、現地で働く彼らの生の声に寄り添う必要があります。講義や学習支援を通して、一人でも多くの皆さんにこのテーマのおもしろさに気づいてもらいたいと思っています。
    (研究内容 :多国籍企業論/人的資源管理論)
  • りゅうせいさん在学生

    Q. なぜグローバルスタディーズ学科を選んだのですか?
    大学入学以前に何度かアフリカ諸国に滞在した経験から、日本社会で一般的な「アフリカ」像に対して疑問を抱き、大学では「日本人」の視点だけではなく、「現地で生きる人々」の視点からアフリカ諸国に関する地域研究に取り組みたいと考えるに至りました。京都精華大学に進学したのは、日本では数少ない西アフリカ地域の研究に力を入れているだけでなく、エスノグラフィー経験が豊富な教員が多いためです。私は将来、大学院に進学したいと考えており、精度の高い研究の基礎力を築くという観点から、この点を何よりも重視しました。

    Q. 大学でどのようなことをしたいと考えていますか?
    専攻・ゼミは決めていないのですが、アフリカ地域でエスノグラフィー※を行いたいと考えています。また、「監視」に関する人類学の学びも深めていきたいです。IT技術の発達やコロナ禍も相まって、世界的に監視社会や人権の抑圧が問題となっています。しかし、アフリカ滞在時には、「監視」を一概には否定できないと思わされる光景も多々見てきました。監視社会は権力との親和性が非常に高いですが、それらを支えるテクノロジーやシステムには様々な社会問題を解決する鍵があるようにも思います。これは安易に正否を判断できる問題ではありませんが、テクノロジーは人類の叡智の結晶でもあるので、エスノグラフィーから得られる経験も踏まえて向き合っていきたいと思います。

    Q. 大学で学ぶにあたって大切なことは何でしょうか?
    興味を抱いた物事に対して貪欲になって欲しいと思います。私は貪欲になりすぎて気がつくとスケジュールが火の車でした(笑)余裕のない学生生活ですが、充実感もあります。大学は高校までに失敗した経験を生かして様々なことに挑戦できる最後の場所です。ぜひ、気になったことや興味を抱いたことには片っ端から首を突っ込んでみてください。