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あなたのアートには、どんな意味が込められているの? —テキスタイルの学生に聞いてみた—

「いとから展」ギャラリーマロニエ(2017年10月3日〜10月8日)
アート作品の鑑賞は、美しさに見とれて時間を忘れたり、ハッとして自らを振り返ったりと、様々な体験をわたしたちに与えてくれるもの。そんな中、「この作品にはどんな意味が込められているのだろう?」と、気になる作品に出会った経験はありませんか?
 
今回取り上げるのは、2017年10月3日から10月8日に京都市内のギャラリー「マロニエ」で開催された芸術学部テキスタイルコースによる「いとから展」。テキスタイルコース教員 上野真知子監修のもと、糸から始まる表現の可能性を追求するというコンセプトで、在学生と卒業生を合わせた総勢17名による豪華な展覧会でした。
 
そんな中で、気になったアート作品がこちらです。
この作品は、テキスタイルコース3年生の山下茜里さんによるもの。古くなった布を細かく裂いて織り上げる「裂き織り」という技法を使って、「目」をモチーフに制作されました。作品の前に立った鑑賞者と、「目線」がぴったり合うように展示されていて、思わずドキッとしました。
 
さて、山下さんはどんな思いでこの作品を制作したのでしょうか。さっそく話を聞いてみましょう。
山下茜里さん(テキスタイルコース3年生)
「作品を通じて鑑賞者に、人同士のコミュニケーションの本質を問いかけてみたかったんです。今はスマホや携帯が普及して、誰かとコミュニケーションをとろうと思えば、いつだってメッセージアプリで簡単にやりとりができる時代ですよね。でも、コミュニケーションにはもっと違う側面もあると思うんです。私は日頃から相手の目に映りこむということに興味を持っていて、相手と視線を合わせ、お互いの姿が目に映っていることについて、みんなもっと考えるべきではないかと思っています。私の作品を見た人が、自分の目で見ることの意味を考えるきっかけになればと嬉しいですね」。
 
テキスタイルコースでは、「徹底した基礎技法への理解が自由な表現を支える」という考えのもとで、「型染め」「ろうけつ染め」「シルクスクリーン」「織り技法」など、テキスタイルの基本をしっかりと学びます。
山下さんも3年のゼミでは「ろうけつ染め」を学んでいますが、今回の展覧会参加にあたっては、新たな技法にチャレンジしようと、教員指導のもとで「裂き織り」に取り組みました。新しい技法に挑む際、1、2年生の時に培った基礎力がその支えになったと実感している山下さん。さらに、テキスタイルの実習室は、全学年が共同で使用する開放的な雰囲気で、いつでも技法に熟達した教員たちに相談できる環境だとか。
 
山下さん、これからも自分の表現を追求して、鑑賞者を楽しませてください。

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