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作家・塩田千春氏 特別レクチャー「表現しつづけること」が開催されました

2020年2月8日(土)「京都精華大学展2020 卒業・修了発表展」のプレイベントとして、「表現しつづけること」と題した、現代美術家の塩田千春氏による特別レクチャーが開催されました。司会進行役は本学副学長の吉岡恵美子が務めました。
本学の卒業生であり、昨年、森美術館での個展「塩田千春展:魂がふるえる」で66万人を動員し大きな注目を集めた塩田千春氏。本展では過去25年間の作家活動の作品を発表、京都精華大学在学時に制作された作品も数多く展示されました。



当日は良いお天気に恵まれ、卒業・修了発表展の搬入の手を休めて聴講にくる学生もみられました。また、塩田氏の表現への想いをより多くの方にお届けしたく申込制で公開レクチャーとしたところ、数多くの方にお申込みいただき一般公開分はすぐに満席となりました。







美術の第一線で活躍し、数々の国際展への参加や受賞を重ねてきた塩田氏が、自身の学生時代を振り返りながら、「塩田千春展:魂がふるえる」をはじめとする個展の作品スライドを1点1点丁寧に紹介してお話をしてくださいました。


<京都精華大学 美術学部洋画専門分野 1年次の作品>
1年次の自由課題で制作した油絵作品については「なぜ絵を描くのか」ということに行き詰り、以降油絵を描けなくなりこの作品が最後の油絵となりました。


<本学の交換留学で渡ったオーストラリア留学中に制作した塩田さんの最初のパフォーマンス、インスタレーション作品>



<本学で行われたこのパフォーマンス、インスタレーションは、糸を使用した塩田さんのはじめてとなる作品>

それから、在学中に600枚の仮面作品を2週間で制作されたこともあったそうです。その際には「アートのためにアートをつくるのではなく『もっと自分らしいものは何か』、『アートの意味とは』を模索しながら制作していました」と学生時代にどのような気持ちで作品制作をされていたのか、当時を振り返り教えてくださいました。

後半はたっぷりの質疑応答時間をとってくださり、在学生から「大学生の時に『なぜ絵を描くのか』に行き詰り、何のために作品を作っているのか分からなくなった。とおっしゃっていましたが、その問いかけに対して今現在の塩田さんには答えが出たのでしょうか」との質問に対して「10年後に『絵は心で描けばいいんだ、目で描くものではない』と気が付き、日記のようにドローイングが描けるようになった」とお話してくださいました。







また、学生時代に制作した作品が後でとても貴重になることがある。自分自身も貴重になるとは考えていなかったが、最終的に作品を見ていくと学生時に制作していた作品がとても重要になる。だから必ず残しておいてほしい。と学生に向けメッセージをいただきました。

「京都精華大学展2020 卒業・修了発表展」は、2020年2月12日(水)~16日(日)の日程でこの3月に卒業・修了する学生たちの作品や論文を、キャンパス全体で展示します。
本学で培った集大成となる成果物の数々、幅広い専門領域の表現をぜひご覧ください。

【京都精華大学展2020 卒業・修了発表展 特設サイト】

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