アセンブリーアワー講演会(2018年度)

EVENTS

古屋雄作(映像ディレクター/「うんこ漢字ドリル」作者)

──【弟】がうんこを水そうに入れてえさをあげている。
すべての例文に「うんこ」を使用するという衝撃の企画で280万部突破の大ヒットとなった「うんこ漢字ドリル」。その全6冊・3018本の例文を考案したのは、一人の映像ディレクター・古屋雄作氏だった。架空の生物の捕獲作戦や、「人の怒らせ方」のパターンがひたすら展開するビデオ、一般の青年をカリスマミュージシャンとして売り出すプロジェクトなど、型破りの発想から生み出される数々の作品。そこには彼の、ふざけたことを本気でとことんやる姿勢と、自らがおもしろいと感じたものを作品で他者に伝えたいという情熱が通底している。今回はそんな古屋氏に、代表作の制作秘話を聞き、発想の方法を学びたい。
 
 
●古屋雄作さんへの質問を大募集!
古屋さんへのご質問、特に当日聞いてみたい話などを募集します。
garden@kyoto-seika.ac.jp(講演会事務局メールアドレス)まで、件名を「5/17アセンブリーアワー」として送信してください。

日時: 5月17日(木)14:40~16:10

講師:古屋雄作

ふるや・ゆうさく●1977年愛知県生まれ。2004年、テレビディレクター業務の合間に自主制作した映像作品『スカイフィッシュの捕まえ方』で注目される。以降、撮り下ろしのオリジナルDVDを中心に、テレビドラマ、書籍、ウェブ動画など様々なジャンルで活動。主な作品に『人の怒らせ方』シリーズ(ビクターエンタテインメント)、連続ドラマ『神話戦士ギガゼウス』(関西テレビ)、『マグマイザー』(BSスカパー!)など。2017年に自らが全ての例文を手がけ、刊行した『うんこ漢字ドリル』(文響社)は、発売から1年で累計300万部を突破し、空前のヒット中。2018年3月に同シリーズ最新作『うんこ漢字ドリル テスト編』が刊行された。

三分一博志(建築家)

※本講演会は京都精華大学「アセンブリーアワー講演会」と、京都府建築士会「建築家セミナー」との共催で開催します。
※建築士会継続能力開発(CPD)制度対象講座です(対象者のみ該当、CPD単 位:2単位)。
 
共催:(一社)京都府建築士会青年部会
 
会場:京都精華大学明窓館 M-201講義室
キャンパスマップ
※通常のアセンブリーアワーと会場が異なります。ご注意ください。

日時: 5月26日(土)14:40~16:10

講師:三分一博志

さんぶいち・ひろし●1968年生まれ。建築家。いかにして建築が地球の一部になるかを一貫したテーマとし「地球のディテール」を提唱。瀬戸内を活動の拠点とし、「犬島精錬所美術館」で日本建築学会賞作品賞、日本建築大賞をダブル受賞。世界遺産嚴島神社のある宮島の「弥山展望台からの眺望」がミシュラン・グリーンガイド3つ星(フランス)。「直島ホール」でWallpaper* Design Award(イギリス)と日本建築学会賞作品賞、BCS賞受賞。2017年日本・デンマーク外交関係樹立150周年親善大使に就任。150周年関連事業の一環としてCisternerne Pavilion「the Water」。その他代表作に「六甲枝垂れ」(兵庫)、「おりづるタワー」(広島)など。現在、デンマーク王立芸術アカデミー教授(非常勤)。

東村アキコ(マンガ家/京都精華大学客員教員)

膨大なマンガコンテンツを保有しつつ、IT社会におけるマンガのグローバル化に対応を迫られている日本の作家と出版社…。日々激変する環境の中、日本マンガが生き残っていくポイントについて考察したいと思います。

日時: 6月21日(木)14:40~16:10

講師:東村アキコ

ひがしむら・あきこ●宮崎県生まれ。金沢美術工芸大学で油絵を学ぶ。1999年に『フルーツこうもり』(集英社)でデビュー。以来、続々と話題作を発表、現在最も注目を集めるマンガ家として精力的に執筆を続ける。近年の主な作品に、100万部を超える大ヒットとなった、『ママはテンパリスト』(集英社)、マンガ大賞、メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞した『かくかくしかじか』(集英社)、ドラマ化された『主に泣いてます』・『東京タラレバ娘』(共に講談社)など、多領域にわたる作品は、さまざまな読者の共感を呼んでいる。『海月姫』(講談社/講談社漫画賞受賞)はテレビアニメ化、実写映画化を経て、2018年1月にドラマ化もされた。現在『美食探偵 明智五郎』(集英社)、『雪花の虎』(小学館)、『偽装不倫』(XOY/Webマンガサイト)を好評連載中。

▶『偽装不倫』(2017年12月16日~連載中)

塩田千春(現代美術家)

日時: 7月5日(木)16:20 ~ 17:50

講師:塩田千春

しおた・ちはる●1972年大阪府生まれ。京都精華大学洋画科卒業後に渡独。現在ベルリンを拠点に活動する。生と死という人間の根源的な問題に向き合い、「生きることとは何か」、「存在とは何か」を探求し、その場所やものに宿る記憶といった不在の中の存在感を糸で紡ぐ大規模なインスタレーションを中心に、立体、写真、映像など多様な手法を用いた作品を制作。 2008年、神奈川県民ホールギャラリーの個展「沈黙から」で平成19年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。2015年には、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館代表として選出される。主な国内での個展に、京都文化博物館(2018年)、KAAT神奈川芸術劇場(2016年)、高知県立美術館(2013年)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2012年)、国立国際美術館(大阪、2008年)など。また、奥能登国際芸術祭(2017年)、シドニー・ビエンナーレ(2016年)、キエフ国際現代美術ビエンナーレ(2012年)などの国際展にも多数参加。

山城知佳子(美術家/映像作家)

日時: 7月19日(木)14:40 ~ 16:10

講師:山城知佳子

やましろ・ちかこ●2004年、パフォーマンスを主軸にした映像作品「オキナワTOURIST」「OKINAWA墓庭クラブ」で初個展。2009年沖縄戦の継承をテーマに体験者の言葉を真似る映像作品「あなたの声は私の喉を通った」以降、フィクション性の高い映像作品へと移行する。「沈む声、紅い息」「コロスの唄」「肉屋の女」、最新作の「土の人」。漂う声が海に潜り、森にこだまし、地底に響き時空を超えて他者と出会う。近年はダンスパフォーマーを招いた映画や、舞台などジャンルを超えた出会いでコラボレーションを試みる。

ミロコマチコ(画家/絵本作家)

わたしにとって絵とは何か、絵本とは何か。なぜわたしは描いているのか。わたしは何者なのか。制作している時のわたし、していない時のわたし。過去と今の自分と、これからやりたいことと、絵以外のことも考えて、探ってみたい。

日時: 2018年10月25日(木)14:40~16:10

会場:京都精華大学 友愛館 アゴラ

講師:ミロコマチコ

1981年大阪府生まれ。2003年京都精華大学人文学部卒業。05年より各地で個展を開催、12年にデビュー作の『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で日本絵本賞大賞を受賞した。以降も連続して『ぼくのふとんは うみでできている』(あかね書房、13年/小学館児童出版文化賞)、『てつぞうはね』(ブロンズ新社、13年/講談社出版文化賞絵本賞)と、主要な絵本賞を受賞。『オレときいろ』(WAVE出版、14年)は、15年にブラティスラヴァ世界絵本原画展で金のりんご賞を受賞し、17年には『けもののにおいがしてきたぞ』(岩崎書店、16年)が同展にて金牌を受賞した。近作に『まっくらやみのまっくろ』(小学館、17年)。国内外での個展も精力的に継続。立体への展開や、本、CDジャケット、ポスターなどの装画も手がける。

白井聡(本学教員/政治学・社会思想研究者)

今年は明治維新150年であり、近代日本史への関心が高まっています。4年後の2022年には、維新から敗戦(1945年)までと、敗戦現在までの時間量がともに77年となり、日本近代の前半と後半が、ちょうど同じ長さになります。ここで考えたいのは、日本の近代化に大きな影響を与えた天皇制の問題です。本講座では、4月に刊行した『国体論——菊と星条旗』に基づき、「国体の形成・発展・崩壊」が二度繰り返される過程として、近現代日本史をとらえることを試みます。

日時: 2018年11月22日(木)14:40~16:10

会場:京都精華大学 友愛館 アゴラ

講師:白井聡

しらい・さとし●東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。主にロシア革命の指導者であるレーニンの政治思想をテーマとした研究を手掛けてきたが、3.11を基点に日本現代史を論じた『永続敗戦論——戦後日本の核心』(太田出版)により、第4回いける本大賞、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞を受賞。著書に『未完のレーニン』(講談社、2007年)、『「物質」の蜂起をめざして』(作品社、10年)、『「戦後」の墓碑銘』(金曜日、15年)。最新作に『国体論 菊と星条旗』(集英社、18年)。