安田 昌弘 YASUDA Masahiro

専門分野

ポピュラー音楽研究 / 文化社会学

所属
  • メディア表現学部 メディア表現学科 メディアコミュニケーション専攻
  • メディア表現学部 メディア表現学科 音楽表現専攻
  • 大学院 芸術研究科

経歴・業績

英レスター大学マスコミ研究所(CMCR)で日仏音楽産業の研究を行いPh.D.取得。欧州での経験を活かし、現在は関西、特に京都の音楽シーンについてフィールドワークやフランスにおける日本のポピュラーカルチャー受容の研究を行っている。論文に「京都とブルースはどう結びついているか─文化のグローバル化とせめぎ合う空間性」、訳書に『ポピュラー音楽理論入門』、『ポピュラー音楽をつくる』、共著に『ポピュラー音楽へのまなざし』、『The International Recording Industries』、『私たちは洋楽とどう向き合ってきたのか』など。

メッセージ

音楽がどうやって「空間」をつくっているかに興味があります。音楽と空間というと、まずはコンサートホールやライブハウス、学校や自宅など、音楽を演奏する場所が思い浮かぶでしょう。少し音楽制作や音響機器をかじった人なら、空間系エフェクターとかサラウンドシステムなどを思い浮かべるかもしれません。それもそうなのですが、私はもう少し広い意味で音楽と空間を考えています。音楽が、どうやって人々を結びつけているか。さらにはそうやって結びついた「音楽=人々」が、お互いにどんな距離感——例えばクラシック音楽の周りに集まる人々とポピュラー音楽の周りに集まる人々のあいだの距離感——を持っているか。これはそのまま、都市やインターネットと音楽の関係にも関わってきます——クラシックが聴けるコンサートホールとパンクが聴けるライブハウスは大抵の場合同じ地区にはないでしょう。
こうやって考えると、音楽が、社会という空間のなかで鳴っている様子がわかります。重要なのは、今のその鳴り方に違和感を持つことです。「社会空間」と「音楽」の関係をきちんと見つめ直すことで初めて、その関係を変えていく説得力を持った様々な活動が可能になると思っています。
 

作品・著書・研究活動など