白井 裕子 SHIRAI Yuko

専門分野

農村社会学 / 東南アジア地域研究

所属
  • 国際文化学部 グローバルスタディーズ学科 共通教員

経歴・業績

15年間タイに暮らしながら、現地の大学院で学び、国際研究プロジェクト等に携わりながら東南アジア大陸部で村落調査を実施。調査に必要なタイ語やラオス語は地域住民たちから学び、住民参加型アプローチ(Participatory Rural Appraisal)や関係論的アプローチ(Systems Thinking and Approach)を使って農村地域・世帯・家族の変容の要因解明等に取り組んできた。また、大学や研究機関だけでなく、アジアの国際機関やタイ政府の科学技術省などで国際的学際的研究プロジェクトに携わり共同研究の経験を積む。
自身の研究としては、東南アジアやアメリカ、ヨーロッパの共同研究者たちと農村地域や国境地境の都市化に関して学際的研究を行い、近代化が当該地域環境や人々の暮らしに与える影響などについて研究の深化を意図している。例えば、農村地域の生物多様性の特徴や流通の調査研究および野生植物の標本作成を始めとし、メコン地域のとうもろこしの供給連鎖の調査研究、また、非農業雇用の進展による世帯経済・世帯構成、遠方への出稼ぎや農業への影響を考察した研究などがある。
近年では、インドシナ半島を東西に貫く「東西経済回廊」の、特にラオス・サヴァンナケート/タイ・ムクダハーンとの国境およびタイ・メソット/ミャンマー・ミャワディとの国境地域コミュニティを対象に、当該地域住民らによる課題の把握とそのマネジメントにおいて更なる支援活動を続けている。

メッセージ

異なる文化や価値観を知ることに興味がありますか?地域研究は、それを現場で実体験する機会を与えてくれる学問分野の一つです。地域研究の中心はフィールドワーク(現場での実践)です。そして、自分が興味のある地域をどのように切り取るかによって、「地域」(=現場)の見方とそこからの学びは全く異なります。例えば、一つの地域を狭く、深く観察して、細かな特徴を浮き彫りにすることもできます。これを、地域を詳細に把握する目線(蟻の目)といいます。一方で、地域を広い枠組みで大きく捉えて、国際的な視点から考察することもできます。これを、地域をグローバルな視野で捉える俯瞰的目線(鳥の目)といいます。物事に対する「蟻の目」と「鳥の目」の双方からの考察は、国際化が加速する現代社会においてとても重要なスキルです。また、地域研究という学問は、異文化地域の社会環境を知ることによって、自分自身を振り返るチャンスを与えてくれます。これから、国際社会で異なる立場の人たちと一緒に考えて行動することにチャレンジしてみたい!そんなあなたが求めるものが、地域研究の学びからきっと得られるはずです。