京都精華大学では、2021年9月より、マイノリティの権利、特にSOGIをはじめとした〈性の多様性〉に関する知識と、それらを踏まえた表現倫理のリテラシーを備えたアートマネジメント人材を育成するプログラム「#わたしが好きになる人は / #The people I love are」(※1)をオンラインで開講しています。
10月10日(日)に開催する基礎レクチャー(※2)では、クィア理論・批評に触発され、映画を中心とした視覚文化におけるセクシュアリティや、人種、ジェンダーの交差に関心を持って研究して来られた菅野優香氏を迎え、「クィア・オブ・カラー批評—アメリカにおける非白人の知と経験」についてお話しいただきます。
「クィア・オブ・カラー批評」は直訳すれば、有色(人種)のクィア批評であり、クィア理論において、人種とセクシュアリティが分離されて論じられる傾向を内部から批判するために生まれた言説です。今回の講座では、「クィア・オブ・カラー批評」を先導し、触発した、黒人レズビアン理論家やアクティビストたちの仕事を紹介しながら、クィア・オブ・カラー批評が何を問題化したのかについて考えます。
京都精華大学「#わたしが好きになる人は/ #The people I love are」
プログラム8 基礎レクチャー「クィア・オブ・カラー批評—アメリカにおける非白人の知と経験」
【日時】10月10日(日)13:30-15:00
【講師】菅野優香(同志社大学 グローバル・スタディーズ研究科 准教授)
【定員】100名程度
【申込方法】公式ウェブサイトの申込フォームからお申込みください。受講無料。
【詳細・申込はこちら】https://kyoto-seika.ac.jp/the-people-we-love-are/program08.html
(※1)本講座は、「ネットワーク構築ゼミ-1 現代メキシコの女性アーティストたちの活動から(仮)」の基礎レクチャーとして開講します。ゼミ受講者も同時募集中です。
(※2)タイトル「# わたしが好きになる人は/ # The people I love are」は、国籍、性別、世代、セクシュアリティ、社会的な属性によって隔てられずに、自分が好きになる人について語り合える場を作り、発信するためのハッシュタグです。3年間をかけて段階的にプログラムを発展させ、コンセプトを共有する国内外のコミュニティとの連帯を育みながら、2023年9月、誰もが自分らしく生きる多様な社会の実現やジェンダー平等を目指す複合イベント「プライド・アートプログラム(仮称)」の開催を目指します。
(令和3年度 文化庁 大学における文化芸術推進事業) https://kyoto-seika.ac.jp/the-people-we-love-are/
内容
「クィア・オブ・カラー批評」は直訳すれば、有色(人種)のクィア批評であり、クィア理論において、人種とセクシュアリティが分離されて論じられる傾向を内部から批判するために生まれた言説である。ロドリック・A・ファーガソンによる『黒い逸脱:クィア・オブ・カラー批評へ向けて』(2003)がその嚆矢とされるものの、ファーガソンの議論は、1990年代の黒人の理論家やアクティビスト、とりわけ黒人レズビアンたちが行ってきた仕事を土台とし、それを発展させたものだといえる。今回の講座では、「クィア・オブ・カラー批評」を先導し、触発した、黒人レズビアン理論家やアクティビストたちの仕事を紹介しながら、クィア・オブ・カラー批評が何を問題化したのかについて考えてみたいと思う。また、2000年以降、ファーガソンと共鳴するようなかたちで生まれてきた「クィア・ディアスポラ」(ガヤトリ・ゴピナス)や「ディスアイデンティフィケーション(非同一化)」(ホセ・E・ムニョス)といった非白人のクィア理論家の仕事と「クィア・オブ・カラー批評」の接続を試みる。
講師プロフィール
菅野優香(同志社大学グローバル・スタディーズ研究科准教授)
同志社大学教員。専門分野は、視覚文化研究、クィア・スタディーズ。映像におけるジェンダーやセクシュアリティ、人種の問題に関心を寄せる。近著に「政治的なことは映画的なこと— 1970年代フェミニスト映画運動」『思想』(2020年3月号)、「コミュニティを再考する—クィア・LGBT映画祭と情動の社会空間」『クィア・スタディーズをひらく』(晃洋書房、2020年)など。11月に編著『クィア・シネマ・スタディーズ』(晃洋書房)を刊行予定。
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