人文学研究科 科目構成 Curriculum

人文学研究科の教育課程は、「表象領域特講」からなる専門特講科目と、「人文学特殊講義」「人文学合同演習」「人文学基礎演習」などからなる専門研究科目、そして共通基盤科目があります。
個々の関心領域に広がりと深さを与えるべく、方法論の手解きから最新かつ萌芽的研究を含めた高度な理論まで、多様な授業が用意されています。

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専門特講科目

表象領域特講1

越境者の文芸とその文化的環境を読む

19世紀末から20世紀の文芸・芸術が成立している環境や歴史について、国際的観点からみたときの日本の文芸(とくに国境を越えて活動した詩人や芸術家など)を中心にして、作品や文献をもとに理解を深めるとともに、討議・課題設定・プレゼンテーションのリテラシーを研く。その中で、他者や異文化に対する鋭敏な感受性と深い理解力を養い、独自の研究テーマを現代社会の諸課題にむすびつけて表現していく運用能力を養う。

表象領域特講2

「モダンガール」問題を考える

1923年のはじめに、日本語文化圏に登場した「モダンガール」について、ジェンダー編成の問題を射程に入れつつ、日本、アジア、欧米の同時代資料と最近の研究論文の双方を検討しながら、その問題を考える。

表象領域特講3

戦国期時代考証論

戦国時代の文化や暮らしについて、慶長5年(1600年)に起こった戦国武将夫人細川ガラシャの自害を題材として多様な側面から学ぶ。回想録「霜女覚書」をもとに、時代劇の脚本を当時の言葉で作成し、時代考証の手法を用いながら、セット、衣装、小道具、登場人物、身振り手振りなどについて検証する。

表象領域特講4

戦国期時代考証論

戦国時代の文化や暮らしについて、慶長5年(1600年)に起こった戦国武将夫人細川ガラシャの自害を題材として多様な側面から学ぶ。回想録「霜女覚書」をもとに、時代劇の脚本を当時の言葉で作成し、時代考証の手法を用いながら、セット、衣装、小道具、登場人物、身振り手振りなどについて検証する。

専門研究科目 人文専攻

人文学特殊講義1

問題や状況を「システム」で捉える

問題が生じたとき、その問題だけをとらえて解決策を探しがちであるが、問題の根本原因は「人」ではなく、問題を引き起こす「構造」にあることが多い。また、答えはその問題とかけ離れたところにある場合も多く、多用な視点から「相互に関係し合う要素と要素のつながり(=システム)」を発見し、理解する必要がある。授業では、問題解決のための「システム思考の基本的な手法」を学ぶ。

人文学特殊講義2

院生のためのレポート・論文の書き方

社会に出ても、学問の世界に進んでも、文章力のある人は得をする。文章力は、決して生まれ持った才能ではない。教えることも教わることもできる。授業では、実際に文章を書く活動を通して、文章の書き方の理論を学ぶ。

人文学特殊講義3

社会調査の「いろは」

各自に割り振られた教科書の担当章のレジュメ作成および内容説明を通して、社会調査についての理解を深める。また、各自のテーマと社会調査を関連付け、調査企画書の作成を行う。

人文学特殊講義4

フィールドワークの基礎と実践

人々の暮らしや文化の実際を理解するために有効な方法であるフィールドワークについて、その意義や方法について学ぶとともに、自身で設定したテーマについて、実際の調査や調査結果の整理、分析、発表を通して、手法の習得をめざす。

人文学特殊講義5

日本の芸能文化

大衆文化と伝統的な日本の芸能との連続性や両者の間の断絶における歴史と文化の影響など、疑問から出発して芸能文化が内包する、時代を超えた精神性や文化の構造を明らかにする。あわせて日本の民衆が数世代にわたって感じ取ってきた風土の感性や神仏へのオソレが芸能文化に及ぼした影響を明らかにする。

人文学特殊講義6

都市文化とは何か

日本の代表的な祭りである京都「大文字五山送り火」を中心に、日本における王都のもつ都市性をアフリカ・カメルーンの伝統王都の祭礼・宗教・文化と比較しながら考えることで、文化創造の可能性と平等の実現可能性を、見出していく。

人文学合同演習

人文学入門

文献の検索等に関する基本的な方法やツールのレクチャーおよびレジュメの作成、プレゼンテーションなどを通して、自分の研究方向を定める。人文学において何よりも大事な、他者との対話とディスカッションを演習の基本とする。

人文学基礎演習

修士論文の基礎

研究の基礎作業として、自ら設定したテーマの妥当性と独創性を検討する。ディスカッションを通して、各自の研究の位置づけを把握するとともに、研究テーマおよび対象を確定し、現地調査の基礎を学ぶ。

人文学演習1

修士論文作成の基礎

「前期中間報告会」に向け、1年次に設定した修士論文計画に沿って内容を確立しながら、資料収集や必要に応じて現地調査を行なう。修士論文に必要な全ての資料やデータを収集し、その分析方法を検討のうえ確定することをめざす。

人文学演習2

修士論文の完成

「後期中間報告会」、「最終報告会」に向け、近年出版された研究書や担当教員の研究対象である資料を読解するとともに、各自の研究テーマについて、スケジュール通りに修士論文を執筆する。演習を通して、研究論文を執筆する醍醐味を味わってもらいたい。