吉村 和真 YOSHIMURA Kazuma

専門分野

思想史 / マンガ研究

所属
  • マンガ学部 共通教員
  • 大学院 マンガ研究科
  • 国際マンガ研究センター
  • 専務理事

経歴・業績

立命館大学大学院博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員を経て現職。専門は思想史・マンガ研究。
主な著作に『「はだしのゲン」がいた風景—マンガ・戦争・記憶』(2006年)、『差別と向き合うマンガたち』(07年)、『マンガの教科書—マンガの歴史がわかる60話』(08年)、『複数の「ヒロシマ」—記憶の戦後史とメディアの力学』(12年)、「手塚治虫—逆風が育んだ「マンガの神様」」(岩波叢書『ひとびとの精神史』4巻所載、15年)、『障害のある人たちに向けたLLマンガへの招待—はたして「マンガはわかりやすい」のか』(18年)、「ギャンブルマンガのメディア論—『パニック7』という名のパチスロマンガ雑誌が賭けたもの—」(日本記号学会編『賭博の記号論』所載、18年)、『ブックガイドシリーズ 基本の30冊 マンガ・スタディーズ』(20年)、『マンガノミカタ—創作者と研究者による新たなアプローチ』(21年)など。
2001年の日本マンガ学会設立、2006年の京都国際マンガミュージアム開館を担当するなど、マンガ研究のための環境整備に取り組む。近年は、高知県、横手市、北栄町、熊本県といった自治体のアドバイザーや各種委員、鳥取県、淡路市らが主催するマンガコンテストの審査員など、これまで蓄積してきた研究成果の社会還元を進めている。

学外の主な経歴は以下の通り。
・日本マンガ学会理事(2001年度~2017年度)
・国際日本文化研究センター客員教授(2016年度~2018年度)
・文化庁文化審議会委員(2017年度~2018年度)
・文化庁芸術選奨メディア芸術部門審査員(2018年度~2020年度)
・文化庁メディア芸術連携促進事業・企画委員(2015年度~2019年度)
・文化庁メディア芸術連携基盤等整備推進事業・マンガ分野統括アドバイザー、メディア芸術戦略委員、有識者(2020年度~現在)

その他、全国での講演活動や各種メディアでの執筆・出演などを随時行っている。

メッセージ

一口に「マンガ研究」と言っても、何をどうやって研究するのか、うまくイメージできない方も少なくないでしょう。マンガの良し悪しを論じるのが「マンガ研究」ではありませんし、そもそも「マンガ研究」と「マンガ評論」は違います。
私の研究テーマは、おおまかに説明すると、「マンガを読む」という行為が日常生活に定着するまでの歴史と、その「マンガを読む」という行為が人間の物事の考え方や感じ方にどのように影響するかを考察することです。
マンガは私たちの身の回りにあふれています。本屋やコンビニで売っているものだけでなく、新古書店やマンガ喫茶、床屋や食堂などにも、手垢や油にまみれたマンガが置いてあります。いったい、いつごろ、どのようにして、こんな環境ができあがったのでしょう。
また、私たちは、絵本やアニメを含め、幼い頃から「マンガ的世界」や「マンガ的表現」に接しています。例えば日本では、アンパンマンやドラえもんと出会わずに小学生になることはほぼ不可能でしょう。気がつくといつのまにか、いろんなキャラクターたちが頭の中に住みついているのです。はたして、その過程で、私たちにはどんな思想や価値観、感性が身に付くのでしょうか。
ここまで読んで、あ、自分も「私たち」の一員だ、と思われた「あなた」、この大学で一緒に考えてみませんか。

作品・著書・研究活動など