小川 仁 OGAWA Hitoshi
- 専門分野
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日伊交流史 / 日本・ヴァチカン文化交流史
- 所属
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- 国際文化学部 グローバルスタディーズ学科 共通教員
経歴・業績
1978年、宮城県出身、慶応義塾大学文学部史学科西洋史専攻卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(京都大学、人間・環境学)。主要著書に「シピオーネ・アマーティ研究: 慶長遣欧使節とバロック期西欧の日本像」(単著、臨川書店、2019年)。主要論文に「驚異へ捧げる賛辞 : ナポリ随一の文筆家ロレンツォ・クラッソに見る日本像」(単著、『日本研究』65、2022)、「シピオーネ・アマーティ著「日本略記」(手稿)における考察 : ルイス・デ・グスマン著『東方伝道史』(一六〇一)からの引用について」(単著、『日本研究』53、2016)、「コロンナ家と天正・慶長遣欧使節—コロンナ家の日本関連情報収集の視点から—」(単著、『スペイン史研究』28、2014)。
メッセージ
小学生の頃からヨーロッパの歴史が好きだった私は、大学に進学した時には迷わず西洋史を専攻することにしました。しかし、いざ自分の研究テーマを決めるとなると、「日本人が西洋史を研究する意味とはなんなのか?」という疑問が沸き上がってきて、それが頭から離れなくなってしまったのです。そうした時に、ふとひらめいたのが、故郷(宮城県)の英雄・伊達政宗が送り出した慶長遣欧使節でした。慶長遣欧使節であれば、日本史、西洋史双方の視点から歴史的事実を検証できて、先の疑問の解決の糸口をつかめるのではないかと思ったのです。慶長遣欧使節の研究を進めていくと、イタリアにおいてまだ明らかにされていないことが、とても多いことがわかり、イタリアの古文書館で文献調査をするようになりました。400年前に書いたイタリア人の手紙は文字も煩雑で文法も曖昧で手こずることばかりですが、解読した先に待っているのは、新しい事実と出会えたことの喜びと感動、さらに深まる探求心です。また、実際に過去の手紙を手に取り、読んでみると過去に生きた人びとの息遣いも伝わってきます。私はイタリア語やスペイン語の古文書を中心に研究を進めていますが、実際に史料を手にしたときに感じる迫力は洋の東西を問いません。皆さんも歴史学を通して、そうしたワクワクに触れてみませんか?