プロダクトデザイン学科 よくある質問 FAQ -prodact design-

デザイン学部プロダクトデザイン学科によくいただく質問に、学科の教員が回答しました。「興味はあるけれど、何から調べればよいかわからない」「先生に聞きたいことがある」など、まだ迷っている人から、志望コースが決まっている人までおすすめの内容です。

デザイン学部 プロダクトデザイン学科に寄せられた質問

  • どんな授業がありますか? 雰囲気についても知りたいです。
    行徳(プロダクト):テーマに沿って、個人作業でコンセプト立案からアイデア展開、商品のモデリング作成、プレゼンまですべての行程を行う授業などがあります。グループワークも多いので、和気あいあいとした雰囲気です。男女比は半々くらいで、教員との距離も近く、気軽に質問できる環境です。

    淡田(ライフ):与えられたテーマからコンセプトを立て、デザインからプレゼンまで行います。また、平面から立体につなげる力をつけることを重視しています。たとえば1年生はまず、「紙を折って組み立てる」、「針金を曲げる・つなげる」など平面を立体に変化させる行程を経て、基礎を学びます。女性が多く、グループでディスカッションを行うことも多いので、にぎやかな雰囲気ですよ。
     
    蘆田(ファッション):服をつくるための技術に加えて、「ユーザーが求めているものはなにか」、「世の中を良くするための服はどんなものか」など、理論的なことも重視して学びます。1年生では基礎的な縫製・パターンなども習得しながら、デザインについて理解を深めることになります。教員との距離は近く、普段は和やかですが、「着る人」にとってベストな服づくりのためには妥協をせず、真剣に議論をするコースです。
  • どんな設備がありますか?
    行徳(プロダクト):プラスチック版を加工する「モデリング室」や、発泡材を加工する熱線カッターや旋盤がある「第2モデリング室」など、立体物をデザインするための設備が揃っています。その他にも、ウィンドウズパソコンと3Dプリンタが並ぶ「PCルーム」や、レーザー加工機やNCマシンなどを完備した「先端加工室」、ライフクリエイションコースと共同で利用している「木工室」や「金工室」などがあります。
     
    淡田(ライフ):多様な素材を扱える設備が特長です。たとえば、「木工室」では自分の身長をはるかに超える木材をカットしたり、木の板を曲げる、穴を開けるなどさまざまな形を生み出すことができます。「金工室」では金属の加工、「セラミック室」ではコップやお皿などの磁器の制作などが行えます。その他にも、Macを複数台完備したコンピューター室などがあります。
     
    蘆田:着る人のさまざまな特性に合わせた服がつくれるように、異なる体型のトルソーや、特殊な縫製に特化したプロ仕様のミシンなどを揃えています。一人ひとりに用意された制作スペースは1~4年生まで空間を分けずに配置され、学年を超えた交流が生まれる設計になっています。
  • 社会連携の授業はどんなものがありますか?
    行徳(プロダクト):日本で初めて眼鏡メーカーと「アイウェア」の産学連携に取り組み、コラボレーション授業で商品企画を行い、学生がデザインした眼鏡が何度も全国で販売されています。ほかにも、最先端技術の研究で知られる島津製作所と連携し、インタラクションデザインやウェアラブルデバイスを扱う会社との授業があったり、老舗足袋屋と伝統産業の未来を考える授業があったりと、幅広い内容に取り組めます。企業に訪問し、見学や研修を行うこともありますよ。
     
    淡田(ライフ):新商品に触れられるのも、社会連携の授業の特長ですね。最近では日本製紙と連携し、環境にやさしい新商品「ミネルパ」を使用した商品企画などを行いました。企画だけでなく、和菓子屋「とらや」との連携ではパッケージデザインに取り組みました。他にもシュークリームや竹など、多様なメーカーとコラボレーションを行っています。また、フランスのリモージュ国立高等美術工芸学校で10日間、セラミックのワークショップを行うなど海外と連携したプロジェクトもあります。
     
    蘆田(ファッション):ファッションコースでは、まずは自分自身が見つけた課題に取り組むことを重視しています。そのため事例はあまり多くありませんが、大手セレクトショップBEAMSと連携して商品を提案する取り組み(ライフクリエイションコースとの共通授業)があったり、海外のコンテストに応募し、美術館での作品展に出品するなどの取り組みを行ったりしています。また、授業の課題が担当教員のブランドから商品化されることもあります。
  • 経験がなくても基礎から学べますか?
    学べます。むしろ、プロダクトデザインを高校生から本格的に学んでいる人は少ないのではないでしょうか。1から基礎の力をつけられますので、安心してください。
  • 手先が不器用でも大丈夫ですか?
    大丈夫です。もちろん、器用な人は作品制作にその才能を活かせますが、どの学科でも手を動かすことに加えて、理論を学んだり、企画を考えたりと、幅広い内容に取り組みます。得意分野を深めれば、自分にしかできない提案の方法がきっと見つかります。
  • 1週間のスケジュールはどんな感じですか?
    主に午前中が全学共通教育科目(講義系)、午後から各学部の専門科目(実技系)です。実技系は2コマ分あり、3時間かけてじっくり制作に取り組みます。その他、午後には学部専門の講義系科目もあります。たとえばファッションコースであれば、雑誌編集やショップバイヤーをめざす学生も多いので、実技系科目でAdobe Photoshop、Adobe Illustratorなどのグラフィックソフトの授業を選択する学生も多くいます。
  • どんなソフトを使えるようになりますか?
    行徳(プロダクト):Adobe Photoshop、Adobe Illustrator、設計・デザイン・試作などに最適な、3次元モデリングツール「Rhinoceros(ライノセラス)」などを習得します。
     
    淡田(ライフ):Adobe Photoshop、Adobe Illustratorですね。Rhinocerosはプロダクトコミュニケーションコースより触れる機会は少ないですが、扱うことはできます。そのほか、インテリアの図面を制作するCADや編集ソフトのAdobe Indesignなども学べますよ。
     
    蘆田(ファッション):同じくAdobe Photoshop、Adobe Illustrator、Adobe Indesignです。パタンナーをめざす学生は、選択授業でCADを学ぶこともできます。
  • 卒業生はどんな仕事をしていますか?
    行徳(プロダクト):かなり多岐に渡るデザインの仕事に就いています。たとえば、カーデザイナー、インダストリアルデザイナー、PCデザイナー(情報機器のデザイン)、UI/UXデザイナー、X-TECHデザイナー、カラーデザイナーなどが挙げられます。デザイン・設計・生産・プロモーション・ブランディングや販売後のサービスまでを行うプランナー(企画者)になる人もいます。企業ではワントゥーテン、島津製作所など。コンテンツの開発からモノづくりの企業まで幅広い企業で活躍しています。アイウェアのデザイナーであったり、ペット用品のデザイナーは株式会社ペティオなど社会連携の授業をきっかけに就職が決まるパターンもあります。
     
    淡田(ライフ):進路は幅広いです。ほんの一例ですが、インテリアの仕事や雑貨・文具メーカー、アパレル、ジュエリーデザイナーなどがあります。社会連携の長年の取り組み先である下着メーカーのワコール、文字を扱うフォント設計のモリサワなどにも就職しています。そのほかには、家具を制作する授業で興味を惹かれて木工職人になったり、セラミック(磁器)を制作する授業から陶芸の道を選んだりする卒業生もいます。広告業界も多いですね。
     
    蘆田(ファッション):多いのはアパレル企業の総合職やデザイナー職ですが、グラフィックデザイン事務所に就職した人もいますし、出版社に就職を決めた人もいます。ほかにも、美術の方面に興味を持ち大学院に進んだケースもあります。最近では舞台衣装に興味がある高校生の方にもよくお会いしますが、劇団の衣装部に就職した卒業生もいますよ。
  • ファッションコースでインテリア業界への就職はできますか?
    本人に強い意志さえあればできると思います。ただ、インテリアを専門に学ぶコースではありませんので、授業外での努力も必要になりますし、ファッションを学んだことの強みをどうアピールするかも考えなければいけません。そういえば、「漫画家になりたいけども、マンガ学部で勉強しても自分の強みを見つけることが難しそうだから、人間を描くのに必要不可欠な服のことを学べるファッションコースに入った」という学生もいました。
  • 先生方の好きなデザインや、影響を受けたデザイナーを教えてください
    行徳(プロダクト):好きなプロダクトデザイナーは「ジャスパー・モリソン(Jasper Morrison)」です。彼の作品は、何気ないデザインのなかに、美しさや使いやすさがあります。デザインを意識すると、世の中が変わって見えますよ。ぜひみなさんにも体験してほしいと思います。
     
    淡田(ライフ):「ドローグ・デザイン(Droog Design)」という活動(ブランド)があります。コンセプトは「何色にも染まらない、ユーモアとウィット、そしてちょっぴりの皮肉をあなたの日常に」。それまでのデザインは美しいものや便利であることが重視されていましたが、もっと生活を楽しくするような新しい思想に惹かれました。デザイナーなら「Tsé&Tsé associées(ツェツェ・アソシエ)」の作品が刺激になりますよ。
     
    蘆田(ファッション):アメリカの既製服デザイナー「クレア・マッカーデル(Claire McCardell)」です。個人的には、ファッションデザイン専攻の学生が、一番参考にすべき人だと思っています。彼女は問題解決を意識しながらファッションに取り組み、女性デザイナーの地位向上にも貢献しました。彼女の著書『わたしの服の見つけかた: クレア・マッカーデルのファッション哲学』が2018年に出版されているので、よかったらぜひ読んでみてください。

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